サービス付き高齢者向け住宅
株式会社来夢 リハ・ハウス来夢
管理者統括 矢代 虎太郎 様
富山県にあるリハ・ハウス来夢様は、「ホームにいながら、住み慣れた地域で我が家のように過ごしたい…」そんなご入居者様の思いに応えるために開設されました。今回は、株式会社来夢 管理者統括 矢代 虎太郎 様に、ライフリズムナビ+Dr.を導入するきっかけや導入後のご感想、システムの多種多様な活用事例をお伺いしていきます。
ライフリズムナビ+Dr.導入を
決めたきっかけ
ライフリズムナビ+Dr.を導入したきっかけを教えてください。
矢代様:
リハ・ハウス来夢のある富山県氷見市は北西部、能登半島の東側付け根部分に位置します。労働人口の半分近くが他市に流出しており、なかなか人材確保ができません。介護職は専門職であり人を育てていくのに時間がかかるため、これからは誰でもできるやり方にしていかなければならない。
そう考えた際、経験の長さにかかわらず全員が同じように仕事ができるよう、効率的な業務のシステム化が必要だと思いました。すでに見守り機器を導入している他社さんの事例をいくつか拝見し、ベッドセンサーなどを取り入れてみようかと考えたのが、ライフリズムナビを導入したきっかけです。
当初は違うメーカーの機器を検討しており、デモでお借りしたものもありました。実際に使ってみることで、どういうものかは理解できたのですが、導入するところまで考えるとしっくりきていなかった部分がありました。
その後、展示会で初めてライフリズムナビをみた時、「えっ、ここまでいろいろなことがわかるの!?」とびっくりしました。計測データから一日の内に何回トイレに行っているか、どの時間帯にお部屋で活動されているのかといったところまでわかる。しかも温度や湿度まで計測できる。「これは画期的だな」と、正直面食らいました。
さらにデモを体験した際、ベッドセンサーで計測したデータが手元のスマホにリアルタイムで届くことにもびっくりしました。
ただ、価格的に予算では少し厳しいところもあり…、手が出るかなと思ったのも正直なところです。その頃、たまたま知人から『ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)』という制度があるのを聞き、導入の際に活用することにしました。この際、実は一回目は企画書が通らず、二回目で採択されました。大きな投資ではありましたが、導入して良かったと思っています。
もともとICT機器を用いた業務効率化は進んでいたのでしょうか?
矢代様: 業務効率化にもさまざま考え方があると思いますが、私が入社した平成29年6月時点で「今のやり方ではよくないな」と感じ、まず真っ先に手を付けたのが介護記録でした。今まで手書きだったのを、タブレット端末などを使って記録できるようにしようと考えました。ただ、介護職員の皆さんは機械となるとどうしても身構えてしまうこともあり、すべてをすぐに変えるのではなく、最初に申し送りから着手を始めました。
まず、「Chatwork(クラウド型ビジネスチャットツール)」を導入し、申し送りをSNS化しましたが、こちらは反発もなく意外とうまく導入できました。
その後、記録業務をデジタルに移行した際も、年齢の高い職員は慣れないシステム導入に対して拒否感を表すかなと思っていたのですが、煩雑になりがちな記録業務の改善から着手したためか、「カテゴリーを決めて入力をしていけば意外と簡単」と、うまく受け入れていただけました。介護現場では記録業務が結構多いのですが、これによりかなり労力の削減ができました。そういった成功体験がICT機器導入への抵抗感を減らし、ライフリズナビを導入する際にも活きたかと思います。
プライバシーを守りながら
ご入居者様の安全を見守る
矢代様:
リハ・ハウス来夢は独居タイプのお部屋なので、ドアを閉めたら密室です。これまでは部屋の中で何かが起こったとしても、確認しに行くまでわかりませんでした。
対策としてセンサー以外に、居室内カメラを導入しているご施設さんもありますが、カメラを設置すると常に見られていると感じるご入居者様もいらっしゃいます。当社ではカメラは導入せずプライバシーを守りながら見守りを行うためのツールとして見守りシステムを活用しています。
ライフリズムナビ+Dr.を導入したご感想などお聞かせいただけますでしょうか。
矢代様:
導入してみた感想としては、センサーで計測した情報をどう活用するかが、かなり大事なのかなと感じました。リハ・ハウス来夢はサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)なので、ご入居者一人ひとりの安定した生活提供が、私どものサービスの一端となります。
ご入居様の生活サイクルは、トイレや起床時間ひとつとってもそれぞれ異なります。そういった、皆さんの生活を紐解いて理解をすることで、その人らしい生活を維持ができると思いました。そのためアラート機能についても、それぞれに合わせた活用方法を真っ先に考えました。
導入当初からアラート機能はうまく使えていましたか?
矢代様: 導入当初はすべてのアラートを設定してしまい、アラート通知に自分含め職員が振り回されました。正直、今もアラートに振り回されることがありますが、失敗から得られたこともたくさんあります。ツールはあくまでも人が使うものですので、良し悪しを理解した上で、どういった利用の仕方をすればいいのか考えていきました。
全体で使用しているものとしては室温に関するアラートですね。夏の時期ですと誤って暖房を入れてしまう方がいらっしゃるため、居室内の温度が28度を上回った場合はアラートが鳴るように設定しています。昨日もご入居者様のエアコンの誤操作で29度になっているお部屋がありましたが、ご入居者様は「何となく部屋が暑いような気がする」という程度で気がつかれない場合が多く、センサーで温度の管理ができると職員の経験年数を問わず誰でも同じように対応することができる。そういった点では導入した意味を感じます。
また、それぞれの状態に合わせて設定しているものとしてはトイレアラート。こちらは、要支援1、2のご入居者様には設定する必要はないと思っています。逆に下肢の筋力が低下して、トイレまで行くこと自体がおぼつかない方、排泄の時に失敗してしまう方に関しては設定を行うなど、お一人おひとりの状態に合わせてどのアラート機能を設定するか精査するようにしています。
ほかの機能はいかがですか?
矢代様: トイレケアでいうと、ご入居様の中には膀胱炎といった尿路感染症になりがちな方もおりますが、自分からは手伝いを言い出せないという人もいらっしゃいます。そういった場合でも、トイレに入ったタイミングでお声がけすると、拒否されずにうまくお手伝いできたケースがありました。その際はライフリズムナビの詳細データなどからご入居者様がトイレへよく行かれる時間帯を確認し、そのタイミングに合わせてお部屋へ伺うように見回りの時間を変更しました。
当住宅では、自分でできるご入居者様に対して過剰なサービスは行っていません。生活リハビリとして自力で行い、動いてもらうことで、筋力を維持していただいています。その代わり手助けが必要な方には、適切なタイミングでお声がけができるように心がけています。
見守りシステムを活用して
ご入居者様の生活を紐解く
矢代様: 以前は夜間巡視を大体2、3時間おきに行っていましたが、私が入社した際に午後10時半、午前2時半の二回に減らしました。これはライフリズムナビ導入後も変えていません。ライフリズムナビは正確なシステムではありますが、同時に目視も大切だと考えています。
ライフリズムナビ+Dr.を導入して変えたことはありますか?
矢代様: ライフリズムナビを導入してから変えた部分もあります。例えば22時まで起きていた人が22時半の巡視のときに睡眠中表示になっている際、戸を開けて確認をするのはやめました。寝入りに扉を開けてしまうと物音で起きてしまう可能性があるからです。基本、巡視はすべての部屋を回りますが、気にかけて欲しい方もいれば、夜間帯は構わないでほしいという人もいらっしゃいます。そこはその場面に応じて、巡回はあえてスキップするなど臨機応変な対応をするようにしました。
今は朝6時から7時にゴミ集めとして訪室、あとは一日三回の食事へいらっしゃらなかった方へのお部屋へ確認しに行く。ほか、看護職員が勤務している午前9時から12時の間にバイタルチェックを行うので、一日だいたい10回ぐらい訪室して確認する形になっています。見守りシステムはその10回の間を補助してもらう形で活用しています。そういった意味では、ライフリズムナビも貴重な職員の一人だと考えています。
なるほど、システムを活用し、ナラティブ・ケア※を実現している感じですね。
※ 被介護者個々の現在の生活を理解し、ご本人の希望や思いに寄り添った支援方法を考える介護
矢代様: ライフリズムナビを導入したことにより見えてきたものが多くあります。排泄に関わることや睡眠に関わること、活動的な意欲の有無など、さまざまなことがデータとして見えるようになりました。そのデータを参考に、例えばお一人でトイレに行けるようにADLが回復された方で訪問介護の排泄介助を入っている場合には、訪問介護サービスを外して不必要な介護サービスを減らしていく。逆の場合として、必要なサービスが足りていない方には、担当のケアマネジャーさんにライフリズムナビのデータを提示して増やしていただくようにご提案をしています。それにより本当の意味でお一人おひとりにあった介護というものが実現できるのかと思います。
こうしてライフリズムナビの活動データなどを注視していると、ご入居者様の生活サイクルの見方が変わってくるケースもあります。悪い部分に関しては軌道修正をどうしていくのか、そこからはシステムではなく職員の仕事です。職員がその人としっかり話し合い、何がしたいのか、どうしたいのか聞くことも大事なことです。最終的にライフリズムナビのデータを見た職員が、どのように判断していくかという部分がシステムを使っていく際の最も重要なポイントだと思っています。
現場スタッフに聞く!
見守りシステム導入で変わったことはありますか?
カスタマーサクセスのメンバーが、リハ・ハウス来夢 スタッフの皆様に直接「ライフリズムナビ+ Dr.」導入後の感想や変化などをお伺いしました。
スタッフ 大谷内様: ライフリズムナビの計測データから、ご入居者様の生活リズムを把握できるようになりました。データから「もうそろそろトイレにいくかな?」と予測して動くことで、ちょうどトイレに行かれるところをお手伝いできたなど、うまく対応できていると思います。
また、管理画面の「体動あり」表示から動き出しを察知し、お部屋へ行くことで起き上がり補助の対応ができるようになりました。温湿度センサーでお部屋の温度がわかるようになったので、暑くなってくる季節の環境整備にも対応できるようになりました。居室内の温度がわかるようになったことで、管理画面では睡眠中表示になっていても、お部屋の温度が高い際は、眠られているのではなく熱中症かもと考えられるようになりました。
ご利用者様の日中のご様子が普段と違う時などは、ライフリズムナビのスコア※や睡眠データを確認するようにしています。
ライフリズムナビを導入してから、ひとつひとつの業務負担が軽くなり、業務に余裕が生まれました。余裕が出てくるとスタッフ間のコミュニケーションも増え、スタッフが楽しそうに働いてる様子がご入居者様に伝わるといった、いい循環ができてきたと思います。
※ ライフリズムナビ+Dr.は、大阪市立大学疲労医学講座と共同で開発した独自アルゴリズムでデータを解析し、管理画面でスコア化した「疲労回復指数」「快眠指数」「睡眠環境指数」を確認することができます。
スタッフ 岩倉様:
温湿度センサーで計測したお部屋の温度を確認し、居室内の環境整備に活用しています。
また、ご入居者様の中には、ライフリズムナビのデータで三日に一日は眠れていない状態ということが判明したケースもありました。その際は状況を医師に共有し、薬調整などに活用できました。
— 活用POINT —ライフリズムナビ基本機能【詳細データ】
ご利用者様から計測されたベッドセンサー、人感センサー、あけしめセンサーの情報は、「詳細データ」でグラフとして確認することができます。一定期間を比較して確認を行うことで、その方の生活サイクルや急な行動変化などが調べられます。また、1日単位(前日12:00~当日12:00)でさらに詳細なデータが確認可能です。
ライフリズムナビ+Dr.管理画面の「詳細データ」一覧
「詳細データ」一覧から、さらに一日の詳しいデータが確認できます
— 今が導入のチャンス! —補助金でライフリズムナビ+Dr.を導入!
介護現場の人手不足対策や業務負担軽減のための介護ロボット導入に、国や自治体から補助金・助成金が用意されているのはご存知でしょうか?
実は見守りシステム「ライフリズムナビ+Dr.」も介護ロボットに分類されるんです。
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